北欧ジャズへの誘い(2)
前回の続きです。
*今回のApple Music プレイリストはこちら。
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Eyolf Dale(アイオルフ・ダーレ)
今回最初に紹介したいのは、私が最も注目している若きノルウェーのピアニスト。
ヨーロッパで多くの名だたるジャズフェスティバルに出演し、受賞歴も輝かしいものもあります。日本ではまだまだ無名ですが、数年後にはきっと注目を集めることになるでしょう。
彼が日本語で紹介されるときの名前がまちまちなんですが、後述のDaniel Herskedalがこの動画の52:58あたりでアイオルフ・ダーレに近い発音で紹介しているので、私はアイオルフ・ダーレと書きます。エイオルフ・ダーレだったりアイオルフ・デイルだったりします。。エヨルフ・デイルと読みたくなりますよね。。。
透明感のある旋律は北欧に多いタイプですが、揺らぎのあるリズムで動きを作るのも、ゆったりと潤いのある音を響かせるのも上手い。
ノルウェーのインディーレーベルから2枚のソロ作も発表していますが、私が特におすすめしたいのは昨年Edition Recordsから自らの率いるオクテットで発表したWolf Valley。このタイトルはEyolf=Wolf、Dale=Valleyと、自らの名前を英語に直訳したものらしい。
ピアノトリオ+管三本+ヴァイオリン+ヴィブラフォン、とラージアンサンブルぽくはありますが、調和のとれた抒情的なサウンド。参加したミュージシャンの多くは彼が以前からアルバムやコンサートで共演している仲間で、それだけに息の合った演奏で曲想を鮮明に作り上げています。この空気感、はまる人ははまるでしょう。
もちろんソロでも彼の個性の活きた演奏が聴けます。
彼は他にも多くのプロジェクトに参加しているので、ここでいくつか紹介したいと思います。
チューバとバストランペット奏者のダニエル・ハシュケダル。チューバといっても中音域を多用し繊細に吹くので、何か別の楽器のように聞こえます。今年リリースされたアルバム The RocはEyolf Daleのピアノのほか、パーカッションとヴィオラ、チェロを加えてより幻想的な仕上がりになっていて、靄のかかったようなチューバのサウンドがとても美しく響きます。
なんて発音するか分からないのですが(オセリル・サトゥレ??)、ノルウェー人の女性シンガー。ここに登場しているのは先述のAndreとトランペットのThomas Johansson。彼らは2013年のアルバムKrumkakesangerに参加しています。力強さも繊細さもある歌声にリリカルなEyolfのピアノが重なり、そこに管楽器が邪魔せず上手に乗って抒情的な作品が出来上がっています。
Eyolf Daleの紹介はこのあたりにしておきましょう。
彼らもまだ日本では無名ですね。フィンランドのカルテット。2002年に音大生たちが集まって結成し、今までに3枚のアルバムを発表しています。伝統音楽の要素を取り入れたり、しっとりと歌ったり、力強くポップに歌ったりと飽きさせない。最近はシンガーのAili IkonenやピアニストのAntti Kujanpääのソロ活動や2人のデュオも活発です。芯のある声が好みの分かれるところでしょうか。
北欧ジャズと言ったら彼を紹介しないわけにはいかないでしょう。ラーシュ・ヤンソンと並んで日本で人気のあるノルウェーのピアニスト。ラーシュ・ヤンソンの人気が日本を中心としているのとは違って、彼は世界的に評価されていますが、ゆっくりとしたリリカルで幻想的なサウンドは日本人の好みど真ん中という感じです。ECMからトリオ、カルテットなどで何枚かのアルバムを発表しています。
さてこのECMというレーベル、ジャズがお好きならご存知の方も多いかと思います。ドイツのレーベルですが、キース・ジャレットが所属しているほか、チャールズ・ロイドやパット・メセニーなどアメリカのミュージシャンもここから多くのアルバムを出しています。日本人では菊池雅章も出していますね。このレーベルはジャケットが非常に美しいので思わず買いたくなります。
ヨーロッパのインディーレーベルのCD、とくに日本では無名なミュージシャンのものは数年前までは自分で取り寄せるしかなかったのに、今では簡単に手に入るようになりましたね。こうして多くの音楽に触れて自分好みのミュージシャンを探せるようになったのも、音楽配信サービスのお陰ですねぇ。
最後に、もうすぐ来日する2人のピアニストを紹介しておきます。
彼も日本で人気のあるノルウェーのピアニスト。彼に関する情報は色々と出回っているのでここで長くは触れない。日本と縁が深いピアニストであり、来月新宿Pit innほかで来日公演があるし、CDは簡単に手に入る。
スカンディナヴィアではないのだけど、アルメニア出身のピアニスト。今最も注目を集めている若手の1人でしょう。ロックやエレクトロの要素を取り入れたり、アルメニアの古典音楽を発掘したりと、ひとことでは形容しがたいピアニストです。。実験的な音楽は好き嫌いの分かれるところではありますが、。。
最近はECMとNonesuchから立て続けに、しかもそれぞれに異なったテーマのアルバムを発表しています。飛ぶ鳥を落とす勢いとはこのことでしょう。若いながらも多くのミュージシャンに影響を与えています。
彼の斬新さが苦手な方にもおすすめしたいのが、Lars DanielssonのLiberetto、Liberetto IIあたり。リリカルな演奏なので安心して聴けます。
来日公演についてはこちらを参照されたい。
まだまだ続きます! ⇒第3回はこちら
ヨーロッパで多くの名だたるジャズフェスティバルに出演し、受賞歴も輝かしいものもあります。日本ではまだまだ無名ですが、数年後にはきっと注目を集めることになるでしょう。
彼が日本語で紹介されるときの名前がまちまちなんですが、後述のDaniel Herskedalがこの動画の52:58あたりでアイオルフ・ダーレに近い発音で紹介しているので、私はアイオルフ・ダーレと書きます。エイオルフ・ダーレだったりアイオルフ・デイルだったりします。。エヨルフ・デイルと読みたくなりますよね。。。
透明感のある旋律は北欧に多いタイプですが、揺らぎのあるリズムで動きを作るのも、ゆったりと潤いのある音を響かせるのも上手い。
ノルウェーのインディーレーベルから2枚のソロ作も発表していますが、私が特におすすめしたいのは昨年Edition Recordsから自らの率いるオクテットで発表したWolf Valley。このタイトルはEyolf=Wolf、Dale=Valleyと、自らの名前を英語に直訳したものらしい。
ピアノトリオ+管三本+ヴァイオリン+ヴィブラフォン、とラージアンサンブルぽくはありますが、調和のとれた抒情的なサウンド。参加したミュージシャンの多くは彼が以前からアルバムやコンサートで共演している仲間で、それだけに息の合った演奏で曲想を鮮明に作り上げています。この空気感、はまる人ははまるでしょう。
彼は他にも多くのプロジェクトに参加しているので、ここでいくつか紹介したいと思います。
Daniel Herskedal (ダニエル・ハシュケダル)
チューバとバストランペット奏者のダニエル・ハシュケダル。チューバといっても中音域を多用し繊細に吹くので、何か別の楽器のように聞こえます。今年リリースされたアルバム The RocはEyolf Daleのピアノのほか、パーカッションとヴィオラ、チェロを加えてより幻想的な仕上がりになっていて、靄のかかったようなチューバのサウンドがとても美しく響きます。
albatrosh
Eyolf Daleと高校の同級生のサックス奏者André Roligheten(アンドレ・ローリゲテン)によるデュオ。2001年から活動しているとのこと。ゆったりと落ち着いていますが自由なインプロヴィゼーションで、音の変化を楽しませてくれます。Åselill Sæthre
なんて発音するか分からないのですが(オセリル・サトゥレ??)、ノルウェー人の女性シンガー。ここに登場しているのは先述のAndreとトランペットのThomas Johansson。彼らは2013年のアルバムKrumkakesangerに参加しています。力強さも繊細さもある歌声にリリカルなEyolfのピアノが重なり、そこに管楽器が邪魔せず上手に乗って抒情的な作品が出来上がっています。
Eyolf Daleの紹介はこのあたりにしておきましょう。
Kvalda (クヴァルダ)
彼らもまだ日本では無名ですね。フィンランドのカルテット。2002年に音大生たちが集まって結成し、今までに3枚のアルバムを発表しています。伝統音楽の要素を取り入れたり、しっとりと歌ったり、力強くポップに歌ったりと飽きさせない。最近はシンガーのAili IkonenやピアニストのAntti Kujanpääのソロ活動や2人のデュオも活発です。芯のある声が好みの分かれるところでしょうか。
Tord Gustavsen (トルド・グスタフセン)
北欧ジャズと言ったら彼を紹介しないわけにはいかないでしょう。ラーシュ・ヤンソンと並んで日本で人気のあるノルウェーのピアニスト。ラーシュ・ヤンソンの人気が日本を中心としているのとは違って、彼は世界的に評価されていますが、ゆっくりとしたリリカルで幻想的なサウンドは日本人の好みど真ん中という感じです。ECMからトリオ、カルテットなどで何枚かのアルバムを発表しています。
このスキンヘッドがエスビョルン・スヴェンソンを彷彿とさせる……
さてこのECMというレーベル、ジャズがお好きならご存知の方も多いかと思います。ドイツのレーベルですが、キース・ジャレットが所属しているほか、チャールズ・ロイドやパット・メセニーなどアメリカのミュージシャンもここから多くのアルバムを出しています。日本人では菊池雅章も出していますね。このレーベルはジャケットが非常に美しいので思わず買いたくなります。
ヨーロッパのインディーレーベルのCD、とくに日本では無名なミュージシャンのものは数年前までは自分で取り寄せるしかなかったのに、今では簡単に手に入るようになりましたね。こうして多くの音楽に触れて自分好みのミュージシャンを探せるようになったのも、音楽配信サービスのお陰ですねぇ。
最後に、もうすぐ来日する2人のピアニストを紹介しておきます。
Helge Lien (ヘルゲ・リエン)
彼も日本で人気のあるノルウェーのピアニスト。彼に関する情報は色々と出回っているのでここで長くは触れない。日本と縁が深いピアニストであり、来月新宿Pit innほかで来日公演があるし、CDは簡単に手に入る。
Tigran Hamasyan (ティグラン・ハマシアン)
スカンディナヴィアではないのだけど、アルメニア出身のピアニスト。今最も注目を集めている若手の1人でしょう。ロックやエレクトロの要素を取り入れたり、アルメニアの古典音楽を発掘したりと、ひとことでは形容しがたいピアニストです。。実験的な音楽は好き嫌いの分かれるところではありますが、。。
最近はECMとNonesuchから立て続けに、しかもそれぞれに異なったテーマのアルバムを発表しています。飛ぶ鳥を落とす勢いとはこのことでしょう。若いながらも多くのミュージシャンに影響を与えています。
彼の斬新さが苦手な方にもおすすめしたいのが、Lars DanielssonのLiberetto、Liberetto IIあたり。リリカルな演奏なので安心して聴けます。
来日公演についてはこちらを参照されたい。
まだまだ続きます! ⇒第3回はこちら
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