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一般論や正論ではなく、「わたし」を主語にしたことばを語ります。

2017年3月7日火曜日

北欧ジャズへの誘い(1)

 わたしがこの1、2年のあいだはまっているのが2000年以降の北欧のジャズ(スカンジナビアン・ジャズ)なのです。
 抒情的で透明感にあふれた、静謐なバラードが多いあたりが好きです。

 伝統音楽やクラシック、ロック、ポストロック、エレクトロなどの要素を柔軟に取り込んだ実験的な音楽が多いのも特徴です。


 その中から私のおすすめのミュージシャンを、何回かにわけて紹介していきたいと思います。今回は初回なので、無難な路線で…有名なミュージシャンを紹介します。
 基本的には私の解釈です。特に使われている形容詞は私自身の言葉であり、意見には個人差がありますので。。。


*リンク先はApple Musicです
*ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク出身のミュージシャンを中心に紹介します
*今回紹介したミュージシャンの音楽で、Apple Musicのプレイリストを作りました。興味があれば聴いてみてください。


Lars Danielsson (ラーシュ・ダニエルソン)

 私が一番好きなのが、スウェーデンのベーシスト/チェリストのラーシュ・ダニエルソン。
シンプルでメロディアスな美しい曲を書きます。


 この甘い旋律で好き嫌いが分かれるところでしょう。チョコレート系の甘さじゃなくて柑橘系の甘さですが(わかりづらいたとえでごめんなさい)。ドイツの名門ジャズレーベルACTのトップをゆくベーシストとして年に数枚のアルバムに参加しています。


ラーシュ・ダニエルソンの妻であり、頻繁に共演しているのがデンマークのシンガー、Cæcilie norby(セシリア・ノービー)。


 2015年にはラーシュ・ダニエルソンとのアルバムJust the Two of Usを発表している。ミュージシャンとして参加しているのはこの夫婦だけという特別な1枚。ギターもマリンバも彼が演奏している。



Esbjörn Svensson Trio (e.s.t. エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)

北欧のジャズで最も有名なのがこのe.s.t.でしょう。


 スウェーデンのピアニスト、エスビョルン・スヴェンソンを中心に1993年に結成されました。ロックやテクノの要素を取り入れて世界中で高い評価を獲得し、特に北欧諸国では絶大な人気でポップスと対等にチャート入りしていました。
 2008年にリーダーであるエスビョルン・スヴェンソンが事故で他界してトリオとしての活動は幕を閉じましたが、いまだにファンの多い、伝説的なバンドです。彼以外のメンバーは活動を続けており、ドラムのMagnus Öströmは自身のリーダーバンドや、Lars Danielssonを含め多くの有名ミュージシャンと共演し活躍しています。

昨年にはピアニストのIiro Rantalaらを迎えて、e.s.t.の楽曲をシンフォニーにアレンジしたアルバムが発表されました。



Espen Berg (エスペン・バルグ)

ノルウェー出身のピアニスト。北欧らしい、という言い方が適切かはわかりませんが、北の静かな大地を想像させるようなナイーブで透明感に満ちたメロディーが聴く人を包み込みます。静かな雰囲気だけど、彼のソロは変化に富んでいて飽きさせません。子どもの頃から自分で作曲していたとか。




Jan Gunnar Hoff (ヤン・グンナール・ホフ)


 先述のEspen Bergよりもさらに静かで落ち着いた曲が多いのが、同じくノルウェー出身のヤン・グンナール・ホフ。最近のソロアルバムはジャズと言っていいのかわからないほどゆっくりしています。。部屋の明かりを落として、キャンドルを灯して、思い出を辿ってみたり、しっとりと考え事をするのにちょうどいい音楽かもしれません。


Inger Marie (Gundersen) (インガー・マリエ・(グンナシェン))



  憂鬱な気持ちにそっと寄り添ってくれるようなアンニュイな歌声。
 彼女は2004年、47歳の時にMake This Momentというはじめてのソロアルバムをノルウェーの小さなレーベルから発表しました。これがなんと遠く離れた日本で発掘され、ヒットになります。続いて韓国やフィリピンなどアジア諸国で売れ、ヨーロッパでも再評価されていくきっかけになったという、日本と縁のあるシンガーなのです。
 キャロル・キングやU2などの曲を彼女らしくアレンジして聴かせてくれます。


Christian Wallumrød Ensemble (クリスチャン・ヴァルムルー・アンサンブル)


 ノルウェーのピアニスト/キーボーディストのクリスチャン・ヴァルムルーを中心に結成されたアンサンブル。彼の唯一のソロアルバムは前衛的で聴く人を選ぶので紹介しないつもりだったが、勇気があれば聴いてみてください。対照的にアンサンブルはチェロやビブラフォンなどの楽器が交じり、調和の取れた音がします。
 もとはドイツの名門ジャズレーベルのECMからデビューし、何枚かのアルバムを発表していました。2016年のKurzsam and FulgerはノルウェーのインディーレーベルHubroに移籍していますが、私はそのほうが彼ららしい音になっているような気がします。


Iiro Rantala (イーロ・ランタラ)


 今回紹介する中では唯一のフィンランド人。ピアニストのイーロ・ランタラ。Trio Töykeät(トリオ・トウケアット)で名声を獲得して、トリオ解散後はACTの看板ピアニストのひとりに数えられるようになりました。超高速ソロもナイーブなバラードも弾きこなせる多彩なピアニストです。John LennonへのトリビュートアルバムMy Working Class Heroをソロで発表したり、先述のE.S.T. Symphonyに参加するなど幅広い活動をしています。


Nils Landgren (ニルス・ラングレン)


 ジャンルをまたいで活躍するスウェーデンのトロンボーン奏者/シンガー。
 なぜかトロンボーン奏者として紹介されることが多いのに、歌っていることの方が多い印象を受けます。

 エスビョルン・スヴェンソンのデュオでスウェーデンの伝統音楽を用いたアルバムも発表している一方で、Nils Landgren Funk Unitというファンクバンドを率いてゴキゲンなファンクを演奏したり、最近は2年に一枚程度のペースで様々なゲストを呼んでクリスマスソングを演奏したアルバムを発表するなど、非常に幅広いジャンルで活躍しています。


 ファンクユニットとしてのおすすめはABBAのトリビュートアルバムであるFunky ABBA。彼らのアレンジはトリビュートアルバムというよりももはや、ABBAをモチーフにして曲を書いたと言えるくらい、見事に自分の色に染め上げた印象です。北欧らしさ(というものがあるとすれば)はあまり感じさせませんが。。。


Lars Jansson (ラーシュ・ヤンソン)


 日本で最も人気がある(と思う)スウェーデンのジャズピアニスト。日本語の公式サイトまであるのですから。洗練された耳に馴染みやすいメロディーが人気の理由なのでしょうか。4月には来日公演も予定されています。
 1999年のアルバムHopeにはLars Danielssonが参加。その後も頻繁にアルバムを発表し、その度に様々な色を見せてくれます。



Jakob Bro (ヤコブ・ブロ)


 Lee Konitz、Bill Frisellらをフィーチャーしたアルバムを続けて発表しているデンマークのギタリスト。近年のECMで最も勢いのあるギタリストかもしれません。多くの大物ミュージシャンと共演しても彼独特のサウンドを決して失わない存在感とか、暗いサウンドでも陰気くさくならないあたりが好きです。


Susanna and the Magical Orchestra


 最後に紹介するのが、ノルウェーのシンガーSusanna Wallumrød(スサンナ・ヴァルムルー)とキーボードのMorten Qvenild(モテン・クヴェニル)のデュオ。2人だけなんですが、この奥行きの深さはたしかにオーケストラという名前が相応しい。Susannaは前に挙げたChristian Wallumrødの妹。なんとなく似たような音がするのは、きっと錯覚でしょう。
 



続きます。

→続きはこちら

次回はまだあまり知られていないミュージシャンも含めて紹介していきたいです。。
なにかおすすめや、気付いた点があれば教えてください。

北欧系でもあんまり前衛的なものとか、テクノやエレクトロっぽいものとか、ロックっぽいの(たとえばFoodとかJazzKamikazeとか…)は好きじゃないのでここでは紹介しません。探せば面白いミュージシャンがいっぱい出てくるので、調べてみてね。