ブログのカバー画像を更新しました

子供の頃から地図が好きで、地図さえ眺めていれば何時間でも楽しんでいられました。知らない町の景色を想像したり、そこでどんな生活が営まれているのか、どんな人が住んでいるのか、どうやってその町ができていったのか、なんてことを考えていればいくらでも想像は膨らむのです。架空の町の地図を書いて、そこに建物を作ってみたり、住民を想像してみたりしました。ゲームならシムシティが大好きで、休みの日は兄と一緒に一日中でも遊んで過ごしました。大学に入ってからは、地図を見ながら駄弁る会を開催したりして、友達と地図を見て語り合いました。

そんな日々のことを思い出しながら、新しいカバー画像を描きました。いわゆるフラットスタイルで、架空の町と人々を描いています。数日で終わらせるつもりが、始めたら細かいところまで描き込んでしまい、結局一ヶ月以上も掛かってしまいました。
もとより絵を描くのは下手なので、形が歪んでいたり、色が変なことになっていたり、角度がまちまちだったりと、拙い絵だと思いますが、そのあたりは目をつぶっていただきたいな、と思います。これから練習して上達していく予定です。たぶん。



高解像度の画像はこちら。PDFはこっち。(dropbox)
トップに表示される画像では圧縮されてしまうので、ぜひPDFの元画像をご覧ください。

前に使っていたカバー画像はラダックで撮影したタルチョ(チベットの祈りの旗)で、それにもいろいろな想いを込めていたのですが、今回もいろいろな想いを込めています。それをいちいち述べることは興ざめですからしませんが、この絵に匿された意味を考えていただくために、何を描いたかというところだけは説明しておきたいと思います。

主に4つの場面に分かれていますので、右から順番に。左から右に進んでいくようにも、逆のようにも見えますが、お好きなように考えてください。

一番右の場面には、コスモポリタンな都市を描きました。季節は春。一枚の絵に右から四季を描くのは山水屏風などの技法を借りました。建物の多くは実在する(した)ものをモデルにしています。
ここでは、Rosenthal Center For Contemporary Art (Zaha Hadid)、、東京国立博物館 表慶館、国際基督教大学本館、丹下健三自邸、Hook Lighthouse (Country Wexford, Ireland)を描きました。


右から2つ目は近代のヨーロッパ、季節は夏。
建物は、Selfridges (London)、University of Toronto、Mauritshuis (Hague)、Crkva sv. Marka(St. Mark's Church, Zagreb) Abberley Clock Tower (Worcestershire)、Stari Most (Mostal、橋)。
町並みは、Bond Street、Paris、Côte d'Azur, Primosten等を参考にしました。



3つ目は中国の中世、秋の景色を描きました。下の街は台北国立故宮博物院蔵 清明上河図(清院本)を参考にし、人物の多くはそこからモデルを選んで描きました。また、次の場面と合わせて、瀟湘八景のうちのいくつかのモチーフを描いています。

多くの古画を参考にしていますが、特に横山大観筆 瀟湘八景図のうち漁村返照(東京国立博物館蔵)、雪村周継筆 寒山拾得図(栃木県立博物館蔵)をモデルにした部分があります。(左中央の怪しいふたりが寒山と拾得です)


最後が中世の日本をイメージした場面で、季節は冬。わたしの故郷、奈良を描きました。唐招提寺金堂、薬師寺東塔を描きました。平山郁夫、不染鉄の絵画を参考にしました。瀟湘八景の内、江天暮雪と烟寺晩鐘を配しました。日本の民俗宗教のある風景を描きたかったので、人物は少なめに、寺のある街と板碑や道祖神、山伏などを描きました。


稚拙な絵ですし、描いていない場所(アジア諸国、オセアニア、アフリカ、中東、ロシア、南米、極地、海洋ほか)も入れたかったなぁとか、日本の伝統模様や留守文様も使いたかったとか、寒山拾得以外の人物を描きたかったとか、いろいろと思い残すことがありますので、今後も折を見て少しずつ描き足していくかもしれません。気付いた時に、見返していただければ。

また、このイラストを描くに至って、何を描くかから、どのように描くか、Illustratorの使い方など、多くの方々に助言をいただきました。深甚の謝意を申し上げます。

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